はじめに より

──一生懸命やっているのにうまくいっていないリーダーのあなたへ


突然ですが、あなたは仕事をがんばりすぎていませんか。

私が講演を通して知り合ったある会社のリーダーAさんの話です。

Aさんはプレイヤーとしても非常に優秀で、
昇格して1年ほど経過していました。

部下をしっかり管理する必要があると思い、
日報を通じて行動を細かくチェックしていました。

また、1 on 1の面談では、
事前に部下の問題点を抽出したうえで課題を設定し、
自分が話を主導する形で教え込んでいました。

しかし、部下は思い通りに動いてくれず、問題も解決しませんでした。

さらにはチームの状態がかんばしくないので、
Aさん自身が現場に出て、業績を上げようと努力しました。

しかし、チームの状態は最悪のままでした。
それどころか、悪化していきました。

離職者も数人出たうえ、業績も悪く、
雰囲気も非常に暗くなっていました。

Aさんは、プレイヤーとしての仕事が忙しくなったうえに、
リーダーとしての仕事がおろそかになる—
このような状態の繰り返しでした。

Aさん自身もかなりのストレスを抱えるようになり、
イライラして部下や関連部署の人とぶつかることが増えていたそうです。

残業も夜遅くまで続いていました。

困った挙句、私の講演に参加し、終了後に相談にいらっしゃいました。

明らかにAさんは自分主導で仕事をやりすぎていました。

実はこのように部下に任せられないタイプのリーダーの方は少なくありません。
優秀で一生懸命にがんばっているのに悪いほうに動いてしまう—

このようなリーダーの方たちを研修や講演を通じて、
これまでたくさん見てきました。

Aさん以外のリーダーの方々にもお話をうかがうと、
次のような意見が出てきます。

「部下が以前に失敗して困ったから簡単な作業しか任せていない」
「チームの業務をすべて自分が見ようとしている」
「部下に相談するなんて情けないので、自分1人ですべてのことを決める」
「会議や面談は自分が主導になって進めていかなくてはならない」
「部下の前で自分の欠点などを見せたらナメられてしまう」
「ナンバー2の部下に任せたら、ラクしようとしているように思われそう」
「リーダーはすべての面において、部下に勝っていなければならない」

任せられない人は、責任感の強い真面目な人なのです。

だからこそ自分ですべてを抱えてしまう。

ところが、そのがんばりがかえって仇になってしまい、
チーム全体の力を低下させてしまいます。

そして、部下のモチベーションも下げてしまうのです。

一生懸命やっているのに苦しんでいる。

こうしたリーダーの方々のお力になりたいと思い、
本書を執筆することにしました。



さて、前述のAさんは、
半年間、私の研修を受けて、それを実践しました。

部下に仕事を任せたら、
部下が自発的に動くようになったそうです。

結果、翌月から1年後に、チームの売り上げが
前年比121パーセントになり、さらに昇進したという、
うれしいご報告をいただきました。

その1年間は、自分のチームの離職者もゼロだったそうです。

しかも自分の後任には部下がそのまま昇格しました。

任せることで部下が成長し、その結果チームの業績も向上し、
さらに自分のポジションも上がったのです。

Aさんは、かつて毎日夜遅くまで仕事をしていたのが嘘のように、
今では定時に帰り、将来に向けて資格試験の勉強を始めたそうです。

最初にお会いしたときは辛そうだったAさんの表情は、
生き生きとしたものに変わっていました。

このように部下に権限を移譲すれば、
部下のモチベーションが上がるし、
リーダーもほかのもっと重要なことに時間を使えるようになります。

本書では部下に仕事を任せ、
リーダーが元気になるための考え方と技術をお伝えします。

すべて私の実体験や実際に私の講演・研修先の会社で起きた
事実に基づいたものです。

また、読者の皆さんが読んですぐに実践できることを
たくさん盛り込みました。

どうぞ最後までお付き合いください。


リフレッシュコミュニケーションズ代表 吉田幸弘

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『部下に9割任せる!』
(吉田幸弘・著) 

 
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