まえがき 
睡眠の常識があなたを不安と不健康に陥れる


ある高齢者が感じていた睡眠の恐怖

知人のセミナーにゲストとして登壇したときのことです。

高齢のお客様からこんな質問を受けました。

「以前は朝までぐっすり眠れたのに、ここ数年は早く目が覚めるようになり、
 睡眠時間がかなり減ってしまいました。
 睡眠時間が少ないと病気になりやすく、早死にするらしいと聞いて、
 いつも不安です。今は大丈夫ですが、そのうちガタがきて大病を患らうかも
 しれないという恐怖も感じています。
 どうすればぐっすり眠ることができるのでしょうか?」

私は次のように答えました。

「寝なくていいですよ。
 むしろ寝たほうが病気のリスクが高まります。
 ですので、無理に寝ようとしないでください」

こんな返答、はじめて聞いた人は
「何をバカなことを言ってるんだ」と思うでしょう。

しかし、このセミナーでは私のバックボーンも紹介されていたので、
質問をしたお客様は、すんなりと受け入れてくれました。

それどころか、驚いたことに、涙まで流して喜んでくれたのです。

「現代社会では、日本人の8割がまともな睡眠をとれていない」

そのように主張する著名な睡眠学者がいます。

しかし、この睡眠学者の主張や考察は、
果たして真実を言えているのでしょうか……?

むしろ、「普通の睡眠生活」を送っている人に対して、いたずらに不安を煽り、
恐怖心を植えつけているだけなのではないかと私は思います。

睡眠の常識によって健康な人が不健康にされている……。
先の高齢の方の様子を見て、
そんな本末転倒なことが起こっていると思わずにはいられませんでした。

それが、私が本書を書く大きなきっかけとなったのです。


1日45分以下のショートスリーパーも常識に苦しめられた

私はもともと1日8時間以上眠るロングスリーパーでしたが、
今は1日平均45分以下のショートスリーパーになっています。

かなり多趣味なこともあり、活動時間を確保するために
睡眠時間を削ろうとしたのがきっかけでした。

しかし私とて、すぐにショートスリーパーになれたわけではありません。

7年もの間、試行錯誤を繰り返しました。
今となっては、私のセミナーに来て1日で
ショートスリーパーになられた人がいるにもかかわらず、
私自身は寄り道を繰り返し、路頭に迷いつづけていたのです。

当時を振り返ってみると、
睡眠学者の主張を鵜う呑のみにして仮説を立てていたときほど、
睡眠に悩み、望む結果が得られませんでした。

当時と比べて、今の私は心身ともに健康そのものです。

睡眠の常識というのは非常に強固です。

誰もが睡眠の気持ちよさを知っているがゆえに、

「寝ないと病気になりやすい」
「日本人の睡眠時間は足りていない」

という言説を何の疑いもなく受け入れてしまっています。

そして睡眠に対するほとんどの研究も、

「睡眠は身体にいいもの」
「寝ないと不利益が生まれる」

という既定路線に沿って調べられるわけですから、
その常識はより強固なものになるのです。

私がショートスリーパーになることができた一番の要因は、そうした
「世の中で言われている睡眠の効果・効能は本当に正しいのか?」と疑い、
独自に調査したことです。

その結果、世に流布する睡眠の常識やその理論、
研究エビデンスがいかに的外れであるかということに気づきました。

しかも、そのずさんな睡眠研究の中身をろくすっぽ検討もせず、
結論だけが安易に引用されて情報が流されるのですから
本当に辟易(へきえき)としてしまいます。

わかりやすく言えば、
ウソだらけのデータをベースにして構築された新しいウソが
常識として流布されるわけです。

世の中には、そのようにしてフェイクニュースがあふれるわけですが、
睡眠業界においてもその傾向は同じなのです。

しかし、フェイクニュースと呼ばれるものに対してはその裏取りをし、
真実を探ろうとする人はたくさんいますが、前述したとおり
睡眠の常識を疑う私のような奇特な人はほとんどいないのが現状です。

そして、世の中にあふれる睡眠の常識に囚われなくなったとき、
私ははじめて安定したショートスリーパーになることができました。

日中の眠気に悩むこともなくなり、
睡眠時間が短いにもかかわらず起床時の爽快感は
えも言われぬものになりました。

私がショートスリーパーになってから約10年が経過し、
今では一般社団法人日本ショートスリーパー育成協会を立ち上げ、
「ネイチャー・スリープ(Nature sleep)」という
睡眠をコントロールするカリキュラムを伝えています。

睡眠をコントロールするというのは、
睡眠時間はもちろん、すっきりとした起床やスムーズな就寝、
日中の眠気のコントロールも含みます。


ショートスリーパーになれない人が囚われているもの

これまで1000人以上の方が
私のネイチャー・スリープのカリキュラムを受講しました。

受講生には、自分自身の睡眠をコントロールするために、
活動中や、寝入りの状態、起床の状態の観察をしてもらいます。

そしてうまくいかない場合は、自分の理想に近づけるよう、
睡眠の習慣や癖の修正を行ってもらいます。

しかし、睡眠のコントロールがうまくできず、
自身の理想の睡眠時間を手にできない人もごく少数存在します。

それはどんな人かと言うと……
残念ながら、現代社会の睡眠の常識に囚われ、
固定観念が払拭できない人です。

私がかつてショートスリーパーになろうと躍起になっていた頃のように、
間違った睡眠の常識に囚われている限りは、
自分が望むように睡眠をコントロールすることは難しいのです。

したがって私は受講生に対し、
まずは世の中で正しいとされている睡眠の常識を引き剥がし、
睡眠の正しい考え方やその観察方法を伝授しています。

結果として、多くの受講生が、
睡眠というよくわからないものに悩んだり、焦ったりすることなく
冷静に対処できるようになっています。


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『睡眠の常識はウソだらけ』
(堀 大輔・著)

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