早期英才教育は不要

● 発達の専門家は早期英才教育を否定する

子どもを天才児に育てる教育方法などをネットで見つけると、
思わず飛びつきたくなってしまうのが親っていうものですよね。

小さい頃に特別な教育や育て方を完璧にすることで、
この子を天才にできるのではないか。

乳幼児の時期にこそ、お金や労力をかけて、
がんばって教育しなくてはいけないのではないのか。

私は1人目の子育ての時、
そんな気持ちが湧き上がりました。

ちょうどその時、私は大学で研究の仕事をしていたので、
乳幼児発達の専門家の先生に早期英才教育について
話を聞きに行きました。

すると、思いっきり鼻先で笑われました。

「乳幼児はスゴイから、やらないよりもやれば、
その時はいろんなことができるようになるよ。
でも、それで将来いい学校に行けるとか、天才になれるとか、
そんなことはない」

と、一刀両断されました。

私は「やっぱりそうだよね」と、ちょっと寂しい思いで
調べていた早期英才教育のブックマークをそっと消しました。


知能も性格も個性を持って生まれてくる

私は、ベビーサインの教室を10年主宰したのですが、
そこで同じ生後6か月の赤ちゃんでも、
個性がそれぞれ違うのだということがわかりました。

ママから離れられない子。
ママよりも、お友達についてまわる子。
窓の外を走る車に釘付けの子。

1人目だけでなく、2人目のお子さんが生まれて、
同じように教室に来てくれるリピーターのママたちもいましたが
「兄弟で同じように育てたのに、個性が違っている」と
皆さん口をそろえて言っています。

「子どもは、育て方ではない生まれつきの個性を持っているのかな?」と
感じていた頃に、図書館で
『子育ての大誤解―子どもの性格を決定するものは何か』(早川書房)
という本を見つけました。

「親子が似ているのは遺伝であり、
虐待さえなければ親の育て方は知能にも性格にも影響はない」
と言い切った衝撃的な本でした。

この本はハリスという研究者が
『サイコロジカル・レビュー』という
世界最高峰の心理学の理論誌に発表した内容を
一般向けに書き直したものです。

数多くの遺伝学・心理学などの研究を網羅したハリスは、
子どもの発達には、「遺伝」と「環境」という要素が
あるが、親子が似るのはあくまで「遺伝」であり、
親の育て方は子どもの知能や性格には影響を与えないと言い切りました。

実は、ハリス自身が1人目が養子で2人目が実子の母親でした。

そして、養子である第1子が育てにくい性格であることを、
親戚から「育て方のせい」であると責められた経験がありました。

しかし
「親が同じように育てようとがんばっても、
子どもはそれぞれもともとの性格が違って、
同じようには育たないし、育てられないんだ」という、
心の叫びのような思いがあったのです。

そして、それを裏付ける、
多岐にわたる分野の徹底したリサーチで、
知能や性格など親子が似ているのは遺伝であり、
育て方ではないことを主張したのです。


でも、第1子のママは早期英才教育が不要とは信じたくない

子育てについての学びで最も衝撃を受けたのは、
間違いなくこの本です。

そして、人に伝える時に最も反発を受けるのもこの内容です。

「これは面白い内容だ」と、
母親向けにブログで内容を紹介すると、
教育熱心な母親たちから猛反発を受けました。

それならばもっとわかりやすく伝えようと、
遺伝の影響力の強さについて、
映像などを用いた講義内容を作って、
あちこちで講座をさせてもらいました。

するとお子さんを3人以上育てたママや保育士、保育学生は
「やっぱりそうなのか」と、納得してくれるのですが、
1人目を子育て中の母親に納得してもらうのは、
かなり難しかったのです。

5年後くらいに
「先生の言っていることが少しわかるようになりました」と
言われたこともあります。

私もそうだったように、
子どものためにがんばりすぎなほどがんばっている母親にとって、
すぐには納得できないことなのでしょう。

小さい子どもの教育というと
「何もない状態に知能や社会性などの個性を、親が作って持たせてあげる」
といったようなイメージがありますが、それは間違いです。

小さい頃はまだ見えにくいかもしれませんが、
どの子も知能や社会性などの個性を生まれつき持っています

子育てや教育とは、その子の持っている個性が何かを見極めて、
それを最大に生かしていくための方法を試行錯誤で探していくことです。

乳幼児の時期は、将来子どもが仲間と一緒に
自分の才能を伸ばしていくための土壌作りの時期です。

焦って何かをする必要はないのです。

子育てに一所懸命で信じたくないなら、
今は無理して信じる必要はありません。

ただ、早期英才教育の効果に専門家は否定的であること。

あなたやお子さんに
無理をさせてでもするものではないことだけは
頭のすみに入れておいてくださいね。
子どもが伸びる がんばらない子育て
『子どもが伸びる がんばらない子育て』
(山本ユキコ・著)
 
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