芸術はモテるためにあるのか?

男性が女性にモテる条件といえば、
昔は「三高」といわれていました。

つまり、
「背が高い」
「収入が高い」
「学歴が高い」
ということです。

私には3人の子どもがいます。

長女と次女は、寄生虫や感染症というような
変な研究を生業としている私を見て反面教師としたのか、
何も言わなくとも堅実に医学の道を志して資格を取り、
結婚後も働きながら子どもを育て、家庭を切り盛りしています。

しかし長男については、
私にも教育にこだわりがありました。

幼い頃から
「藤田家の長男として、立派な医者になるべきだ」と
口うるさく言い聞かせており、
彼はそれにおとなしく従い、一生懸命勉強していました。

学内でも優秀な成績で
評判の良い子だったので、私も安心していました。

ところがある日突然、彼は反乱を起こしたのです。

「もう親の言いなりになるのは嫌だ。
僕の好きな生き方をさせてくれ!」と、
部屋に閉じこもって出てこなくなりました。

私は猛烈に怒り、
親子の縁を切るぞと言って脅しましたが、
彼の意志は固く、そのときから父子の会話はなくなりました。

その後、長男が音楽大学へ
入学願書を出したことを知りましたが、
私は相手にすることなく、
好き勝手にしろと思って放っていました。

彼は音楽が好きで、小学校のときから
クラシックピアノを習っていました。

私にはまったくない芸術のセンスを、
彼は持ち合わせていたのです。

今になって私もようやく
長男の反乱の理由がわかるようになりました。

親の希望や期待だけで
子どもの人生を決めてはいけませんでした。

彼の生き方は彼自身が決めることです。

現在は彼のやりたいことに口出しすることなく、
遠くから見守ることにしています。

長男は音楽大学の卒業後も、
ピアノの先生として活動しています。

もちろんそれだけでは生活が苦しいので、
他にも臨時職員の仕事をして忙しく働いていますが、
収入は少なく安定していません。

例のモテ要素である「三高」について
満たしているのは背丈のみで、そうなると
「世間の女性が相手にしてくれないのではないか?」と
心配になってくるのが親心です。

しかしそれは杞憂にすぎなかったと
最近になって気がつきました。

私は若い頃からまったく女性にモテなかったのに、
長男はなぜかモテるようなのです。

私は、
「おかしいな。私は国立大学の医学部卒で、
アメリカの大学でも教えて、若くして教授になってと、
どう考えてもモテの王道をいっているはずなのに……」と、
羨しく長男を眺めました。

何といっても私の息子ですから、
お世辞にもハンサムとはいえません。

長男にモテの秘訣を聞いてみると、ドヤ顔の彼曰く
「芸術は、愛を育むためにある」と宣うので、
内心では腹が立ちながらも、早速、
生物学の観点から調べることにしました。
残念な「オス」という生き物
 『残念な「オス」という生き物』
(藤田紘一郎・著)

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