一流アスリートはフィードフォワード思考

なでしこジャパンW杯制覇とフィードフォワード思考

過去や現在よりも未来に目を向ける。
そして、その未来に働きかける。
そうすることでより多くの価値、成果、幸せを生み出すことができる。

この考え方を「フィードフォワード思考」と呼んでいます。

未来に目を向け、未来に働きかけるだけですから、
フィードフォワード思考は
誰でも簡単に身につけることができるものです。

日々実践することによって、
自分と周りの人の人生をよくしていくことができます。

なかには、はじめから
フィードフォワード思考を身につけている人もいます。

たとえば、
トップアスリートは未来に目を向け、
未来に働きかけることが習慣になっています。

絶体絶命のピンチのなか、
フィードフォワード思考によって
逆転で勝利するケースは珍しくありません。

2011年に行われたFIFA(国際サッカー連盟)
女子ワールドカップドイツ大会では、「なでしこジャパン」が
日本勢としてはじめてFIFAの大会を制しました。

しかし、ギリギリの勝利でした。

決勝のアメリカ戦は終始相手に主導権を握られていました。

そもそも、その時点での
対アメリカ戦の通算成績は0勝21敗3分。

これまで勝ったことがなかったのです。

過去に目を向け、
「正直勝つのは難しい」と
思っていた人も多かったかもしれません。

実際、非常に厳しい戦いでした。

立ち上がりからアメリカの猛攻を受け、
シェニー選手、ワンバック選手らの強烈なシュートを浴びます。

日本は粘り強く守りますが、69分、
モーガン選手が日本のゴール右隅に先制点を叩きこみます。

この1点でワンバック選手はチームの勝利を確信したそうです。

ですが、このとき日本チームのキャプテン、
澤穂希選手がチームにこんな言葉を掛けています。

「あきらめるな、行こう」

「行こう」とは
「未来に目を向けよう」というメッセージ。

この声に、選手たちは
「まだやれる」と自らを奮い立たせます。

日本は我慢強くプレーを続け、81分、
ゴール前で相手のクリアボールに反応した
宮間あや選手がボールを奪い、左足で同点弾を決めます。

そのまま両チーム追加点がなく試合は延長戦へ。

アメリカはワンバック選手、
モーガン選手を中心に日本ゴールに迫ります。

延長前半、左サイドを破ったモーガン選手の折り返しに、
ゴール前でワンバック選手が合わせて再び均衡を破ります。

延長でリードを許すと追いつくのは難しく、
何より心がくじけます。

ワンバック選手は「今度こそ勝った」と思ったそうです。 

しかし、
川澄菜穂美選手と永里優季選手は
こんな言葉を交わしています。

「このくらいのほうが楽しい」

また、宮間選手は自分自身にこんな言葉を掛けます。

「大事なのはこの後」

選手たちは常に未来を向いていました。

それが逆転を呼びます。
延長後半、日本は宮間選手のコーナーキックに、
澤選手がニアで合わせて追いつきます。

ついに試合はPK戦へ。

佐々木則夫監督は笑顔で「楽しんでこい」と
選手を送り出し、日本が3対1でPK戦を制し、
大会初優勝を成し遂げました。

チームのなかに
「未来に目を向ける」フィードフォワード思考が根付いていて、
それが勝利を引き寄せたことがわかります。


思いっきり甲子園を楽しんでみろ

先頃復活を果たした松坂大輔投手(現中日ドラゴンズ)が
甲子園球児だった頃の話です。

第80回全国高等学校野球選手権大会(1998年)、
平成の怪物と言われ、横浜高校のエースだった松坂投手は、
準々決勝のPL学園戦で延長17回、
250球を投げて完投勝利を収めました。

「250球」は2試合分の投球数に当たります。

試合後のインタビューで、
松坂投手自身が「明日は投げません」と語っていました。

翌日の準決勝・明徳義塾戦で、
松坂投手はレフトを守っていました。

横浜の2年生投手2人に明徳打線が襲いかかり、
8回表終了時点で6対0。

多くの人が明徳の勝利を確信していたのではないでしょうか。

このとき横浜の渡辺元智監督はこんなことを言います。

「残りの2イニングでひっくり返すのは難しい。
後はおまえたちの好きなように、思いっきり甲子園を楽しんでみろ」

「2イニングでひっくり返すのは難しい」
と選手をリラックスさせ、
未来を「思いっきり楽しめ」と声を掛けたのです。

すると、
8回裏、横浜高校は息を吹き返し、
打線は一挙4点を奪取。

さらに9回表には「まさか」と思われた
松坂投手がマウンドに上がり、明徳義塾の攻撃を打者3人
(三振、四球、併殺打)で切り抜け、無失点に抑えました。

9回裏。横浜は安打を重ね、
ついに逆転、奇跡のサヨナラ勝ちを収めました。

ピンチのときに現状を分析したり、
そこに至った原因ばかりを考えていたら力が湧いてきません。
おそらくすぐに負けてしまうでしょう。

彼らが一流になっているのは、未来に目を向け、
その未来に働きかけることで
ピンチを何度もひっくり返してきたからです。
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