まえがき―
自分で自分を縛らないために

女から女、社会から女、男から女。

女はあらゆる場面で批判され、時には否定され、
理想を追いつづけながら生きています。

周囲からの評価に晒さらされつつ、
よりよい自分を目指していくのは大変なストレスで、
多くの女性が女性であることのしんどさを
感じたことがあるのではないでしょうか?

そんなあなたがより楽に、
自由に女を生き抜くために書いたのが本書です。

私が日本特有の女性のあり方に
疑問を持つきっかけになった要因は3つあります。

●欧米で生活する機会が多く、
 他の国でのより自由で多様な女性のあり方を見てきた。

●女子校育ちで、男性と比較される機会が少なく、
「女である」ということをあまり意識しない環境にあった。

●国内外のさまざまな地域に住んできたので、
 ある地域で当たり前とされていることが
 別の地域ではそうではないということを経験することが多く、
 小さいコミュニティ内での常識に囚われることが
 時としていかに無意味で自分の可能性を削ぐものかを感じることが多かった。

そんな私がいわゆる日本人だけで形成されたコミュニティで
女性としての常識を忖度(そんたく)し合う環境にどっぷりと浸かったのは、
27歳になってからでした。

それまでは社会や男性、時には他の女性からの
「女性たるもの〇〇であるべき」という
プレッシャーがあることは感じつつも、
適度に距離を取りつつ、横目で観察するという具合でした。

「日本女性はなぜこんなにも生きづらそうなのか」

これは私にとってとても不可解で、興味深いテーマでした。

そんな興味から、私はじわじわと
日本女性に関して考えはじめました。

アメリカに留学していたときはジェンダー心理学をかじり、
大学院では女性としての役割に極度にプレッシャーがかかる
周産期のメンタルヘルスについて研究しました。

大学院での研究は、結局サンプル数が少なく
統計学的にあまり意味のないものとなってしまいました。

それでも、私の推測の部分があるものの、
「男女平等主義的で母親になっても
 仕事に精を出したいと思っている女性は、
 実際のところ家事・育児を率先して行う
 伝統的な女性役割を果たすべきだと意識している」
という示唆を得ました
(ちなみにこれは男性でも同じでした。
 性役割による生きづらさは男性も感じています)。

つまり、仕事も家庭もバランスよくやっていきたいという
価値観を持っていたとしても、
伝統的な母親役割を全うすべきだと考えており、
自分の中で葛藤が生じているのです。

これを大学院で発表したとき、
「こんなの当たり前すぎて新規性がない」
と指摘されてしまいました。

しかし私としては、性別を理由に
望んでいない生き方をしている人が多くいるというのは
衝撃の事実でした。

やりたくないことをやっている、
生きたくない生き方をしている―
これは周産期に限った話ではないと思います。

女性同士の呪縛や周囲からの圧力によって、
女性ゆえに感じるしんどさは、
多くの人が生活の節々で直面する、
もしくは当たり前になりすぎて麻痺するほど
日常的で意識にものぼらないものなのではないでしょうか。


多様化する生き方、不寛容な社会

しかし、近年になってやっと生き方の多様性が
推奨されだしてきました。

好きなように生きることをテーマにした本は
溢れていますし、実際にそのような生き方をしている
インフルエンサーには多くのフォロワーがいて、
その生き方は支持されています。

少しずつではありますが、やりたいことをやり、
やりたくないことはやらない、ということが
認められるようになってきているのです
(誤解していただきたくないのは、
 単純に自己実現を目指そうと主張したいわけではありません。
 だらけたいときにだらける、
 やりたいことがないという状態をよしとする、
 不条理だと理解した上で形式上だけ相手に合わせる、
 ということまで含みます)。

一方で、このようなやりたいことをやる人たちの
ミスや欠点を見つけては、バッシングする人たちもいます。

自分が実現できないことを
他の人がやってしまうのを見るのが眩しく、
苦痛で仕方ないのでしょう。

自分の人生は到底この程度のものだろうという
あきらめがあるものの、批判することで
今の状況にあることにちょっとした安心を覚えているのです。

恐れでいっぱいの彼ら彼女らは実に哀れです。

同情はしても足は引っ張られないようにしなければなりません。

彼ら彼女らの存在が目立つためか、
「日本は不寛容社会になった」と言われています。

ある脳科学者は次のように語っています。
「そもそも人間は『寛容を美徳』としないといけないほどには不寛容な存在である」と。

そうしたロジックが成り立つのであれば、
「不寛容社会にならざるを得ないほど、個人の生き方が多様化している」と
言うこともできるはずです。

つまり何を言いたいかというと、
不寛容社会との相克(そうこく)はありつつも、
個人の生き方が多様化している今は、
女性のしんどさを手放す絶好のチャンスでもあるということです。

時代の流れから、
そんなこととっくに気づいているという人もいるかもしれません。

嫌な人との縁を切るために
『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健、ダイヤモンド社)
などの本を読んだ方も多くいらっしゃるでしょう。

しかし、それでも行動に移せない―。

であれば、
「自分自身で生き方を縛っていないか?」
という問いに向き合ってみてください。

やろうと思えばできることも、
そしてそれが認められていることもわかっている。

でもできない。その理由は、自分の中に根強い
「女性のあるべき像」があるのかもしれません。

しかし大丈夫です。

生き抜くための術を知っておくだけで
トラブルを回避することができます。

そして、それはいつでも始めることができます。

本書では、女性がしんどいと感じる悩みと解決法を
4つのテーマに分けてまとめていますが、
第2章ではトラブルを招くさまざまな女性が登場します。

自分自身が「あるべき姿」に囚われると、
しんどいだけでなく他者に対してまで
不寛容になってしまうことがあります。

読者自身がこの章の例に出てくるような困った女性にならず、
もっと楽に生きていくために、
本書をお役立ていただくことを願っています。

女子の心は、なぜ、しんどい?
『女子の心は、なぜ、しんどい?』
清水 あやこ (著)

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