異質な他者と向かい合う
「男と女の怒らない技術」が手遅れの人たち

知人の男女、数人と話す機会がありました。

彼らの多くがパートナーに対する
イライラや怒りを口にしていました。

ケンカが絶えない、
相手に手を上げてしまったなど
感情のコントロールができなかった人もいれば、

反対に関係が冷めきってしまった人もいて、
何のコミュニケーションもない仮面夫婦、
必要なことだけしか口にしない業務連絡夫婦、
そして不倫中の人や離婚して独身の人もいました。

彼らのなかには
「いまが楽しければ、それでいい」と言いながら、

時折弱気になって
「もし自分が倒れたりしたら、看病してくれるのかな」
「きっと独りで寂しい老後を送ることになるだろう」
などと不安を口にする人もいました。

本心ではイライラしたり手を上げてしまったこと、
口もきかないでいることに深い自己嫌悪を感じて

「出会った頃のように仲良くしたい」
「本当は私に興味をもってもらいたい」

と語る人もいました。

夫婦の形は100組いれば100通り。
不満がない夫婦なんていないのです。


妻が包丁を握って倒れている

ある男性の話です。

彼は妻との関係がうまくいかなくなり、
結婚して半年ほどで離婚を考えるようになりました。

「最初はちょっとしたことだったんです。
 なんで休みの日は1日中ゴロゴロしているのか、とか。
 家にいるなら掃除くらいやってよ、とか。
 そのうちにだんだん面倒くさくなっていったんです」

妻のやることなすことにイライラし、
妻も彼のあらゆる行動を事細かに非難しました。

ですが彼の心のなかに
「結婚生活なんてそんなものだろう」
という思いがありました。

「子どもができれば夫婦関係は変わるのではないか」
という期待もあったそうです。

しかし、淡い期待は裏切られました。

やがて子どもはできましたが、
2人の関係は冷めたままでした。

「はた目には幸せそうに見えたと思います。
 公園で若い夫婦が、小さな子どもが砂遊びしているのを温かく見守っている、と。
 でも、私たちは子どもを見ながら別れ話をしていたのです」

男性は離婚話を切り出しましたが、
妻は首を縦には振りませんでした。

妻は両親の離婚を経験していたため、
「どんなことがあっても離婚はしない」と頑なでした。

ある日、帰宅するとベランダでキラキラと光るものが見えました。

ドアを開けてみると無数のコップや皿が割れていました。
奥さんが叩きつけて割ったものでした。

「衝撃的でした。
 私がいないときにコップや皿を
 コンクリートに叩きつけていたんです。
 ガシャーンという音が聞こえてくるようでした」

あるときは妻が台所で包丁を握って倒れていました。

「でも、もはや心配するという気持ちにもなりませんでした。
 下手な芝居しやがって、くらいにしか思わないようになっていました」

男性は彼女がイヤでたまらなくなり、
毎晩会社の同僚と飲み歩き、
彼女が寝た頃を見計らって帰るようになりました。

「帰宅したらまた妻が何かしているのではないか」と
「帰宅恐怖症」のようになり、
カプセルホテルを泊まり歩くこともありました。

それが妻にとっては余計にストレスとなり、
顔を合わせれば怒鳴り合いのケンカをするようになりました。

男性はそうした生活に耐えられなくなり、
家を飛び出し、数年後に離婚しました。

彼は私にこんなことを言いました。

「いま思うと、結局のところ私は彼女と向き合っていなかった。
 妻は必死にメッセージを送っていたのです。
 コップを割ったり、包丁を握りしめて倒れていたり。
 私は彼女が発するサインに気づきながら無視していた。
 これは彼女に対する甘えだと思うんです」

なぜ、話をしなかったのか。

その根底には
「夫なんだからわかるだろう」
「妻なんだからわかるだろう」
という甘えがあります。

その甘えを上手に受け止められればいいのですが、
多くの場合、甘えられることに対しイライラしてしまいます。

とくに彼のように
コミュニケーションから逃げてしまうと
よいことはありません

時折、逃げることを
「冷却期間を置く」と都合よく解釈する人がいます。

しかし、逃げている間、
2人の関係は急速に冷えていきます。

逃げられると、
過去のパートナーの言動を思い出しながら、
イライラや怒りを募らせることもあります。

話し合いを一方的に拒絶されたという思いも、
イライラや怒りを増幅させます。

男と女の怒らない技術
『男と女の怒らない技術』
(嶋津良智・著)

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