栄養学の知識が「情報過食症」を生み出した

日本人の食生活をおかしくした
一番の問題は、栄養教育にある。

私はそう強く感じています。

栄養教育は、
明治時代に欧米から入ってきましたが、
そこで問題にされたのは
「何を食べるか」ということでした。

一方、それまでの食生活は、
「何がとれるか」で決まっていました。

つまり、
日本人が米を食べるのは米がとれるからであって、
栄養バランスが優れているからでも、
ビタミンやミネラルが豊富だからでもありません。

本来、食べる理由はとてもシンプルでした。

フード(FOOD)はすなわち「風土」であり、
食べることととれるものは一体だったところに、
栄養教育が入ってきたのです。

食生活が欧米化していったことが問題視されていますが、
順序としては欧米化の前に栄養教育の問題があります。

明治以降、栄養学的な知識が
大きな力を持つようになったからです。

どんな栄養素が含まれているか? 
カロリーが多いか少ないか? 

栄養教育によって、
こうした知識を身につけることが
健康につながると多くの人が信じるようになりました。

一見、正しいことのように思えるでしょう? 

でも、ここに日本人の食生活をおかしくした
大きな落とし穴があったのです。

詳しくはこれからお伝えしていきますが、
こうした栄養教育が入ってくることで、
なによりも理屈で食事をする人が増えていきました。

その果てに蔓延するようになったのが、情報過食症です。

カロリーや栄養素に関する情報が広まっていくことで、
いまや多くの人が情報過食症に悩まされているというのが実情でしょう。

悩まなくていいことで悩み、
かえって体を壊したり、病気になったり、
そんな食生活を強いられるようになりました。


「食品」より「栄養素」を信じていませんか?

こうした栄養教育には、
大きく分けて2つの柱があります。

そのひとつが「栄養素主義」
もうひとつが「欧米崇拝主義」です。

この章では、
前者の「栄養素主義」について見ていきましょう。

栄養素主義とは、簡単に言えば
「栄養素を前提にして食生活を考えることが科学的である」
という考え方です。

タンパク質を構成するアミノ酸は何種類あって、
それぞれどんな働きをしているか、
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸で体への作用はどう違うのか、
ビタミンやミネラルにどんな働きがあるか、

こうした栄養学的な知識が重視され、
健康を語るうえで欠かせないものになりました。

詳しく知らなくても、
ほとんどの人がその影響を受けています。

たとえば、スーパーに行くといまでは

「ビタミンC豊富」
「コラーゲンたっぷり」
「アミノ酸補給」
「糖質オフ」

……もう食品を売っているのか、
栄養素を売っているのかわからないような状況でしょう。

その多くは実感と結びつかない観念的なものですが、
でも、消費者はそうした表示のあるほうを買うわけです。

水を売っている会社の社長さんの話で、
ペットボトルに
「ノンアルコール・ノンカフェイン・ノンカロリー」
と表示して販売したら、
売り上げが3倍伸びたという笑えないエピソードがあります。

ノンアルコール・ノンカフェイン・ノンカロリー……
それはそうでしょう、なにしろ水ですから!

でも、日本人はそんな表示があると喜んで買います。

なぜだと思いますか? 

栄養教育が栄養素主義という常識をつくり、
教育してきたからです。

製造メーカー、スーパーの経営者は、
そうやってつくられたものを利用し、
利益を上げているにすぎません。

大本の価値観がなければ、利用することもできません。

その価値観が栄養教育であり、
私たちの国はこの150年せっせと広めつづけ、
食生活をゆがめてきたのです。

日本人のための病気にならない食べ方
日本人のための病気にならない食べ方
(幕内秀夫・著)


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