決算書は単純でシンプルだから“気後れ”しなくて大丈夫!

あなたが、初めて決算書を見たときの感想は
どのようなものだったでしょうか。 

「漢字が多くて読みづらい」
「誰がこんな難しいものをつくったんだろう......」

多くの方々に共通するのは、
「どうして会計は、こんなに不自然で難しいものなんだろう」  
という感想でしょう。  

しかし、会計が不自然なものというのは、大きな誤解です。  

そもそも、会計はビジネスを行っていく上での、
必要性から生み出されたものですから、
極めて単純で合理的なものです。  

あなたが、現在ご覧になる決算書は、
会計発生当初の形態に様々な工夫や加工が行われているので、
複雑に感じるだけなのです。  

これから、会計が自然なものであることを
一緒に実感していきましょう。


まずは、“社長気分”を味わってみよう

この章では、あなたが主人公です。  

あなた自身が、1人で商売を始めたとします。

どのような商売がよいでしょうか。 

話を単純にしたいので、
ここでは、スイカを売ることを商売にします。  

商売を始めるにあたって最初に必要なものは何でしょう。
少し考えてみてください。 

「カスタマー?」
「ビジネスモデル?」
「経営戦略?」、

そんな難しいものではありません。

もっと単純で一番大事なものです。

それは、「カネ」、お金です。

少し下品な表現ですが、
商売と「カネ」は切っても切り離すことはできません。

何はともあれ、「カネ」がなければ
商売を始めることはできません。  

そこであなたは、貯金していた全財産の
100円を元手にして商売を始めます。

お金が準備できたならば、次に必要になるのは何でしょうか。

そもそも、あなたはスイカを売るのですから、
スイカがなければ商売にならないでしょう。

そこで、スイカを買いに市場へ出かけます。

市場でスイカを買おうとするものの、
売っているスイカの値段は600円。

所持金の100円では、
肝心のスイカを手に入れることができません。

やはり、お金がないと商売は成り立ちません。

所持金が100円で、
買いたいスイカの値段が600円とすれば、
どこかからお金を工面(くめん)、
つまり資金を調達しなければ商売が続けられないのです。  

そこであなたは、友人からお金を借りることを思いつきます。

友人に理由を説明したところ500円貸してくれました。  

自らの元手の100円と友人から借りた500円。

合わせて600円のお金がそろいましたから、
このお金で600円のスイカを手に入れることができました。  

ここまでで、商売の初日は終了です。


スイカ 1個 600円

商売を始めて1日目が終わり、
自宅に帰ってきたあなたは次に何をしますか。

商売に使っているものを
確認したくなるのではないでしょうか。

自分が、持っているものを記録しておくことは、
商売人にとって自然な行動でしょう。

あなたが今、持っているものを紙に書いてみてください。 

「スイカ 1個」

1日目が終わった時点で、
あなたが持っているのは商品であるスイカ1個だけです。

商売ではお金が大事ですから、
このスイカにも金額を書き加えておきましょう。

あなたは、どのように書き加えますか。

「スイカ 1個 600円」  

600円で買ったスイカですから、
600円と書くことに違和感はないはずです。

1枚の紙ができあがりました。

このとき、先ほどお金を貸してくれた友人が、
あなたの様子を見にきました。

友人はあなたの様子を見て不安になります。

なぜなら、あなたに貸したはずの500円がなくなっているからです。

友人から借りた500円と、
あなたの元手の100円を使って、
スイカを買ってしまいましたから、
あなたの手元にお金は1円も残っていません。

手元にあるのは、スイカ1個と
「スイカ 1個 600円」と書いた紙だけです。


友人から借りたお金 500円

スイカを買ったあなた自身は、
お金がなくなったことを当然と思うでしょうが、
お金を貸した友人は心配です。

そこで、あなたに貸したお金を今すぐ返すように要求します。

しかし、あなたが持っているのはスイカ1個だけですから、
返すお金などありません。

すると友人は、こう言います。

「お金がないなら、今ここにあるスイカをもらっていくよ」

スイカをとり上げられてしまうと
明日から商売ができません。

さあ、あなたはどうしますか?

ちょっと待ってください。

このスイカはすべてが友人のものなのでしょうか?

このスイカは600円で買いました。

そのうち500円は友人から借りたお金ですが、
残りの100円分は、あなた自身が商売の元手として出した金額です。

したがって、この100円分については
友人に返す必要はないはずです。

そこであなたは、友人に返すべきスイカは、
自分の分を除いた全体の6分の5ということを説明します。

スイカを6切れに分けて5切れを渡すこともできますが、
それではスイカの商品価値がなくなってしまいます。

そこで、友人はしぶしぶ引き下がります。

ただし、
「僕が君に500円貸していることは、しっかり記録しておいてくれよ」
と、あなたに頼みます。  

商売を行っていく過程で、
お金は様々なものに形を変えてしまいますから、
友人からお金を借りていることを、
どこかに記録しておく必要があるのです。  

同時に、友人から借りたお金だけではなく、
自分が出した元手の金額も合わせて記録しておかなければなりません。

なぜなら、先ほどのように
スイカを友人にとり上げられてしまうかもしれないからです。

そこで、あなたは、
もう1枚の紙をとり出して商売の記録を残します。


2枚の紙は必ず同じ金額になる

ここまでで、2枚の紙ができあがりました。  

それぞれの紙に書き込んだ金額を合計してみましょう。  

1枚目の紙はスイカ1個の値段の600円。

2枚目の紙は、友人から借りた500円プラス
自分が出した100円で、合わせて600円。

2枚の紙に書かれた金額の合計は同じです。  

これは、偶然、一致したわけではありません。  

いずれの紙も、商売の記録を残したものですが、
今あなたが持っている商売道具は、スイカ1個だけです。  

このスイカ1個をモノとして見れば、
600円で買ったのですから600円のスイカ。  

一方、そのスイカを買うために必要な600円の出所は
友人からの500円とあなた自身が出した100円の合計600円。  

スイカという1つのモノを、
それを手に入れるために支払ったお金と、
そのお金の出所という2つの視点で記録しただけです。

だから、2枚の紙に書かれた金額は必ず合致するのです。  

あなたが商売を行うために記録せざるを得なかった
この2枚の紙を、左と右に並べたものが決算書の1つの
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)です。
貸借対照表


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