デフレ経済を脱却し、本格的な「賃金上昇」時代を迎える
 
アベノミクスについては、
いまだに達成されていない重要な課題が2つ残されています。

言わずと知れた、「物価」と「賃上げ」です。  

アベノミクスを失敗だと評し、
また「景気実感がない」という人があとを絶たないのは、
この2点が実現しないことが理由でしょう。

私は、物価上昇率2%はあと2年程度で
達成に近い状態になるのではないかと予想しています。

理由は追々述べていきます。

また、これは嘉悦大学の高橋洋一教授が
いち早く指摘したことですが、
2018年には賃金上昇が始まる公算が高いと思います。
 
この点で、高橋さんが指摘したのは構造失業率の存在です。

失業率というのは景気の拡大とともに
低下することが知られていますが、
たとえどれほど好景気になったとしても、
失業率ゼロにはなってくれません。

どのような経済環境でも
必ず雇用のミスマッチなどの要因が働いて、
ゼロ水準の手前でもうこれ以上は下がりませんよという
ポイントが存在しています。

これを専門用語で構造失業率と呼びます。

そして、失業率がこの構造失業率に到達すると、
賃金ははっきりとした上昇局面を迎えます。

いまアベノミクスの好景気で
失業率は下がりつづけ、2・8%です。

バブル全盛期は1990年の失業率2・1%で底打ちした形ですが、
いまやその水準にあと一歩か二歩という段階に差しかかっています。

もちろん、今回のアベノミクス景気で
失業率が底を打つポイントはどこか、それはわかりませんが、
高橋さんは賃金上昇が2018年に起こる公算が高いと主張しています。
 
少々気の早い私は、完全失業率が3%へと低下した2016年に
賃金上昇が始まるのではないかと考えていました。

3%と言えば、ほとんど完全雇用と言える状態だし、
企業の収益率もそのころすでに大幅に高まっていたからです。

経営者たちは、それでも賃上げに消極的でした。

日本が過去 年近く陥っていたデフレ経済は、
経営者たちのマインドにそれほど深い影を
落としていたということでしょう。

いずれにせよ、日本の労働市場の需給は
すでに相当引き締まっています。

私も高橋さん同様に、
2018年は本格的な賃金上昇の年になると見ています。

まずは来春の賃金改定をめぐる労使交渉が
どのように進行するか、見ものでしょう。

賃金の上昇傾向がはっきりすれば、
待ち望んだインフレ目標2%の達成も時間の問題になってきます。

いまでこそ景気回復の実感は薄いかもしれませんが、
賃金上昇が起こり2%近いインフレがつづいたときの
世の中の様子をちょっと想像してみてください。

曇りがちだと思ってきた空がいつの間にか隅々まで晴れわたり、
翌日も翌々日も青空ばかり。

つい10年前は深刻なデフレ経済に悩んでいたことが嘘のようだ。

そういう状況になっているはずです。
 

高齢者による雇用形態の変化が労働人口減少に歯止めをかける
 
しかし、たとえそうなることがわかっていても、
心から安心できないという人もいます。

日本では圧倒的な人手不足状態にあるため、
労働力不足によって企業活動が阻害される懸念があるのです。

日本が資本主義史上初の
急激な人口減少社会を迎えている事実もそこへ重なります。

かりに、高い賃金を出しても労働力の絶対数が不足して
人手が確保できないということになれば、
これはたいへんに深刻な問題です。

日本経済が労働力の払底(ふってい)という形でいき詰まり、
活動をつづけられない状態になりかねないわけです。

ただ、私はこの点についても心配無用と考えています。

なぜなら、日本の企業は今後、
すでに仕事を離れている女性や60歳以上の高齢者の活用に
いっそう力を入れて取り組むようになるからです。
 
ご存じの方も多いと思いますが、
すでに国内企業の高齢者雇用は進んでいます。

その様子がよくわかるのは、
ホームセンターやスーパーマーケットなどの
量販店ではないでしょうか。

パートタイムなどで働いている人たちを観察すると、
70歳を超えているような人たちの姿も少なくありません。

5、6年前なら、企業サイドが
最初から採用しようとしなかった年齢です。

聞くところによれば、これらの人たちの就労形態は、
かつてのパートタイム就労とはかなり異なっています。

たとえば、実働時間が5時間を超える人は
就労するに当たって健康診断を受ける必要があるとか、

雇用保険の加入が義務づけられるとか、
細かい規則があるそうです。

雇う側も雇われる側も安心して取り組めるよう
制度が構築されているということでしょう。 

こうした職場には、
企業を定年退職した男性はもちろん、
これまでずっと家庭に入っていた年配の女性の姿もあります。

聞けば、1人残った母親を看取ることができたため、
気分一新で手を上げることにしたと言っていました。

週5日、職場で同僚と顔を合わせることで張りも出るし、
何よりもまとまったお金を稼ぐことができます。

じっさい、ご主人の年金だけで
不自由なく生活できる高齢者世帯はたいへん少ないわけです。

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