まえがき 
あなたのビジネスをワンランクアップさせる言葉 

「超スゴイ」をビジネスで使える言葉に

「超スゴイ」「超ヤバい」「超カワイイ」......。

打ちとけた間柄でもない限り、
ビジネスシーンで使っている人は少ないでしょう。

しかし、あなたはこれを
ビジネスでも通用する言葉に翻訳できますか? 

「とてもすごい」「非常にまずい状況」
「とてもかわいらしい」......。

間違いではありませんが、可もなく不可もなし。

残念ですが、これから本書でお伝えしていく言葉のように
「耳に心地いい」「知的」「品がある」という
プラスの印象を相手に与えることはできません。 

「超」という言葉は「とても」「非常に」のほかにも、
「いたく」「この上なく」「はなはだ」
といった言葉でも表現できます。 

「いたく」は、漢字で書くと「痛く」「甚く」で、
痛むほど強く心を打たれる様子を表します。

いたく感動しました。

「この上なく」は「これ以上のことはない」
という意味で、 最高・最上の状態を指します。

この上ない喜び

「はなはだ」は、非常に、大層というニュアンスです。

 はなはだ迷惑な話で困惑している。

いっぺん そのほかにも、
「普通ではない」「通り一遍ではない」
という意味の「並々ならぬ」、

普通の状態からかけ離れていることを指す
「すこぶる」にも言いかえることができます。 

「超」という一文字で状態を表せるのは便利ではありますが、
別の言葉で表現する術(すべ)も知っておいて損はありません。

とくに、日本古来の言葉である「大和言葉」を使うと
堅苦しい印象を与えがちなビジネスメールなどの文章も、
相手に受け入れられやすくなるという効用もあります。


ビジネスで使うべき大和言葉とは何か?

大和言葉というと、
「いとおかし」とか「かたはらいたし」「あわれなり」
といった古語を想像するかもしれませんが、
古語だけを指すのではありません。

大和言葉の定義は専門家によって変わりますし、
例外もあるのですが、一般的には中国由来の「漢語」、
主に欧米から入ってきた「外来語」に対して、
日本古来の言葉(和語)を指します。

たとえば、漢語にあたる「恐縮」を
大和言葉に言いかえると「恐れ入る」。

同様に「配慮」は「心づかい」と言いかえることができます。

漢語で表現すれば、字数も少なくなり、
意味も一目でわかる利点はありますが、
堅苦しい印象は否めません。

「平素より格別なご愛顧を賜り、厚く御礼申しあげます」
といったお礼の一文を、ビジネス文書で見かけます。

漢字が多く、かっちりとかしこまった感じがして、
定型文として都合はよいのですが、
もう少しやわらかい言い回しにしたいなら、
大和言葉を使って次のように書きかえてみましょう。

ひとかたならぬお引き立てをいただき、心からお礼を
申しあげます。

お引き立てにあずかりまして、ありがたく存じます。

いつもお心にかけていただき、ありがとうございます。

このように大和言葉を使うと、文章がやわらかくなり、 
やさしい印象を与えます。

堅い調子の文章で、よそよそしいと感じるとき、
相手との距離を縮めたいと思うときは、 
ぜひ大和言葉に言いかえてみてください。

直言せず、間接的で遠回しな言い回しをしたいとき、
大和言葉は重宝します。

ビジネスのやり取りに関しては、
直言、明言するほうがよい場合も多いのですが、
はっきりものを言いすぎると角が立ち、
相手との関係がぎくしゃくすることもあります。

そんなとき、大和言葉で婉曲に伝える術を知っていれば、 
メールや電話などの顔の見えない相手との
不要なトラブルを回避することもできます。


ビジネスを洗練させる言葉が満載

私は「仕事美人のメール作法」というメールマガジンを
発行しているのですが、以前、大和言葉をビジネスシーンで
いかに使うべきかというテーマで書いたことがありました。

すると、
「ビジネスにおいて、よくある型にはまった言い方ではなく、
場に応じた、もっと気の利いた言い回しを知りたい」

という声が数多く寄せられ、
大和言葉への関心の高さと意外なニーズに驚きました。

感謝の気持ちがより際立ち、
拒否や抗議には角が立たない大和言葉は、
どんな場面でも役立ちますが、

私たちが1日の大半の時間をあてるビジネスシーンでこそ、
最も必要とされているのかもしれません。

大和言葉に関する本はたくさん出ていますが、
書店に置かれているコーナーを見ると、
日本の伝統文化やワンランク上のマナー本や
敬語の一種として扱われているようです。

そこで、ビジネスシーンに特化した関連本として
まとめたのが本書です。

語彙や表現の引き出しが少なくて文章を書くのが苦手、 
という方も、辞書代わりに本書をご活用ください。

書き言葉だけでなく、話し言葉にも使える
大和言葉をベースにした言い回しを、
ビジネスシーンごとに多数紹介しています。


日本古来の豊かな表現を学ぶ

『万葉集』に、柿本人麻呂の次の歌があります。

磯城島の 大和の国は 言霊の
助くる国ぞ ま幸(さき)くありこそ
                ――巻13. 3254 

「日本の国は、言霊の力によって
幸いのもたらされている国なのです。
ですから、どうぞ御無事に、幸いでおいでください」
(『万葉一首一話』高木博、双文社出版)という歌意です。

この歌に象徴されるように、
日本は言霊が助けてくれる国だから、
良いことを言えば良いことが現れるが、
大事な言葉ほど、うかつに口に出してはいけない。

言葉はできるだけ慎重に使うもの。

よほどのことがない限り、
恋人の名前すら心に秘めておかねばならない。
――そんな言葉に対する考え、とらえ方がありました。

死者を悼むときも
「死んだ」「死ぬ」という直接的な表 現は避け、
「隠れる」「散った」という遠回しな表現を用いています。

それはなぜでしょうか。

言葉には魂があり、
うっかり口に出すとその通りになってしまうという
「言霊」の存在が信じられていたからです。

言葉は生き物、時代によって変わっていくものと言われます。

「超」という表現が普及したのもその現れといえ、
簡単、便利、インパクトのある新しい言葉は
これからも生まれ続けることでしょう。

しかし、かつて言霊の存在を信じ、
だからこそ言葉を慈しんできた先人たちに倣い、

現代に生きる私たちも、言葉をもっと大切に扱い、
言葉で相手を思いやり、心を通わせることができたら
素敵だと思うのです。

日本古来の豊かな表現を身近なものとして日常、
そしてビジネスに取り入れ、使ってみましょう。

語彙を増やし、表現力を広げるためにも、
本書がお役に立てばうれしい限りです。

本書まとめるにあたり、監修をつとめてくださいました
山岸弘子先生に、この場を借りて感謝申しあげます。

著者 神垣あゆみ

仕事で差がつく言葉の選び方
仕事で差がつく言葉の選び方
神垣 あゆみ (著),‎ 山岸 弘子 (監修)


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