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あなたは「意識」で癒される


本書『あなたは「意識」で癒いやされる
(原題:Quantum Healing 量子的治癒)』が
初めて出版された際、そのタイトルは、
物議をかもすような見解に基づく
挑発的なものでした。

その見解とは、心が体に与える影響によって、
人は病気にも健康にもなるというものでした。

25年前には、心身のつながりといえば、
ほとんどの医師にとって、
論拠のない科学であり、好ましくない科学であり、
もしくは科学でさえないと思われていました。

医科大学では、
系統、器官、組織、細胞については学びますが、
それで終わりです。

プラシーボ効果(偽薬効果)などは、
医師たちが目もくれない、
あやしげで奇妙なものとして
ひっそり息をひそめていました。

それでも患者は、
砂糖玉を薬と思い込んで服用することによって
快方に向かったのです。

プラシーボ効果は薬のように
効くこともあるわけです。

それはなぜでしょうか?

そのようなことに関心を持つ人は
ほとんどいませんでした。

プラシーボなど、気のせいに過ぎないと
片付けられてしまったのです。

つまり「本物の薬」ではなかったのです。

私のあらたな興味が
心身のつながりにあると知ったときの、
ボストン時代の同僚の反応を忘れられません。

不快感または憐あわれむような微笑を浮かべ、
こう言ったのです。

「君はそんなものを
 本当に信じているのかい?」。

それから約30年経った今、
私はこう答えるでしょう。

「君は信じていないのかい?」

物議をかもすような見解も
主流になりうるというわけです。

「心身のつながり」は、そのよい例です。

瞑想(めいそう)やヨーガ、
ストレス軽減、怒りのマネジメント、
そして生活習慣の
ポジティブな変化といったことは、
今やすっかり市民権を得ています。

これらにはひとつの共通項があります。

それは、

「よりよいメッセージが、
 心から体へと伝えられる」

ということです。

よりよいメッセージが伝わることで、
よりよいウェルビーイングが
実現されるのです。

これに異議を唱える人はもはや誰もいません。

水門は開かれたのです。

そして今日では、
心と体はつながっているということを裏付ける
あらたな証拠の一部を紹介することで、
本書はさらに中身の濃いものとなりました。

医科大学ではいまだに
系統、器官、組織、細胞について
教えていますが、
それで終わりではありません。

1989年、統合医療という
新しい分野が誕生しました。

かつては代替医療と呼ばれていたと
本書でも述べていますが、
私自身の研究の重要な部分を占める
アーユルヴェーダのような伝統的治療法とを
組み合わせたものです。

しかし、治癒というものの神秘については
まだ解明されていません。

後述するように、私の初めての患者で、
通常の治療の恩恵
(同様に神秘な死を
 遂げることになるだけのもの)
を受けずに乳がんが治った
チトラという女性のケースに、
私は複雑な思いを抱いていました。

このような
自然寛解(しぜんかんかい)のケースは、
その後も起こり続けています。

ちょうど今月も、6年間胃がんに苦しみ、
あまりにひどい副作用のため、
とうとう抗がん剤をやめたという
若い男性患者に出会いました。

彼のがんは、骨から肝臓に至るまで
全身に転移していました。

余命半年ということで、
彼は家族の故郷であるインドへと旅立ち、
ニューヨークでの
多忙をきわめた生活を捨てて、
のどかな田舎で平和で静かな時間を
過ごすことにしました。

瞑想とヨーガも始めました。

厳格なベジタリアンにもなりました。

何千年も前に起源を持つ、
最も伝統に近いアーユルヴェーダの習慣に
どっぷりと浸かりました。

その後、検査をしてみると、
今から3か月前の時点で、
彼のがんはすっかり消えていました。

欧米の医学誌には、がんの自然寛解の例が
何千ケースも掲載されていますが、
腫瘍学(しゅようがく)における通常治療には
ほとんど改善が見られないと
言ってよいでしょう。

がん治療は、過去25年間で
目覚ましい進歩を遂げましたが、
その道のりが向かっている先は、
遺伝学、ピンポイントで投与する薬、
より詳細な統計といったもので、
心身のつながりとはほとんど無関係です。

それどころか、
治癒そのものを研究対象にすることによって、
自然寛解の影響はわかりにくいものに
なってしまいました。

遺伝学はがんにおいて重要な鍵を握っており、
そして心は遺伝子に影響を与えます。

例えば、瞑想を通じて、
文字どおり何千という
遺伝子マーカーが改善されます。

炎症は、がんの発病と広がりに深く関わり、
そして炎症自体はストレスに関連します。

ストレスとは、心の中で始まる反応であり、
そして人の考え方を変えることは可能です。

肥満や睡眠不足、バイオリズムの
歪(ゆが)みにつながるような
生活習慣の選択は、
まさにがんに結びつくもので、
こうした悪い選択も変えることは可能なのです

(2013年、疾病対策センターは、
 がんの3分の1は喫煙に関連するもので、
 残りの3分の1は肥満に関連すると
 推定しました)。

つまりがんというものは、
なんらかのかたちにおいて
心と関連するのです。

このような認識を基に、ヒューストンの
MDアンダーソンがんセンターは2008年、
次のような声明を発表することになりました。

「遺伝子の異常により引き起こされるがんは、
 全体の5〜10%に過ぎない。
 一方、がんの90〜95%が
 環境や生活習慣に由来する」

(ここで言う生活習慣には、喫煙、
 揚げ物や赤肉といった食事、
 アルコール、日焼け、環境汚染、感染、
 ストレス、肥満、運動不足が含まれます)。

この声明は、
意識の大きな変化を表しています。

私が医大生だった頃は、
がんの95%は回避不可能だと
考えられていたのです。

本書が今後も
意義深いものであり続けるのなら、
あらたに物議をかもすような発想が
必要となります。

では、もし「あらゆる」治癒が
量子的なものだとしたらどうでしょう? 

そのとき心と体を隔てている
すべての障壁が崩されることになります。

そして脳細胞だけでなく、
すべての細胞に
意識があることになるでしょう。

皮膚という境界線を超え、
意識ある宇宙の中の、
意識ある惑星に生まれたすべての命に
意識があるということになるでしょう。

五感にとっては、
体も惑星も宇宙もひとつなのではなく、
同一のものなのです。

しかし量子的次元においては、
その源は共通です。

量子力学の偉大なパイオニアである
エルヴィン・シュレディンガーは
こう言っています。

「意識を分割したり
 拡大したりすることは無意味である……
 とどのつまり、
 心はたったひとつしかないのだから」

あなたも私も、ひとりひとりが
心と体を持っているという
前提の下で生きています。

ある人がラジエーターで手をやけどしたとき、
「痛い!」と言うのはその人であり、
隣に立っている人ではありません。

しかし量子レベルではそうではありません。

私たちは誰もがひとつの心、
つまり現実を創り、支配し、
コントロールしている
宇宙の叡智(えいち) の中に
組み込まれているのです。

この宇宙の叡智はどこにあるのでしょうか?

私たちが宇宙の様子を見ることを妨げる
日々の障壁を消滅させることによって、
シュレディンガーが再び救いの手を
さしのべてくれます。

第一に、分離した心という障壁があります。

「意識とは、複数あるものではなく
 唯一の存在なのです」。

次に、過去、現在、未来という障壁です。

「心はつねに今ここにあります。
 心にとっては、後も先も存在しません」。

そして最後に、生と死の間の障壁があります。

「意識は純粋で、永遠で、無限です。
 生まれることもなく、
 存在するのをやめることもありません。
 動く生き物と動かぬ生き物の中に、
 空に、山の上に、火の中に、
 そして空気中に存在し続けます」

しかし、最後の引用は
シュレディンガーのものではなく、
インドの精神的伝統における
最も古い文献のひとつである
『ヨーガ・ヴァシシュタ』からのものです。

何千年も前の聖者が内的探求の旅に出て、
量子力学と合致する発見をすることが
できたという事実は、
本書が世に出た時点でも
耳に新しいことではありませんでした。

しかし、聖者や予言者、聖人たちの世界は、
当時の普通の生き方とは隔絶したものだと
感じられました。

心身医学のその後の研究は、
2つの世界をつなげる助けとなり、
聖者ヴァシシュタは
まるで仏陀(ぶっだ) のように、
私たちの現代のものになりえたのです。

すべての治癒を量子的治癒にするには
なにが必要なのでしょうか?

私はこの増補版において、
現代医学に立ち向かう差し迫った課題に
取り組みたいと思っています。

各章の最後に、
「Expanding thetopic:さらなる考察」
という項目を設け、
最先端の医学研究と
世界の叡智の伝統という観点から
治癒の神秘にせまります。

心身のつながりを超越したところに、
今この瞬間と永遠との間のより
深遠なつながりが存在します。

人間の脳が知っているのは
今この瞬間のことだけです。

脳内の電気インパルスや化学反応はすべて、
まさに今起こっています。

心と体の間のフィードバックは、
1分間に何千回も行われています。

私たちはこの事実に
大きな希望を抱くことができます。

なぜなら、宇宙全体が示し合わせて
今この瞬間を生み出していることを
意味するからです。

私たちが受け入れさえすれば、
無限の創造、叡智、そして力が
私たちを支えてくれるでしょう。

本書の執筆当時、正しい方向へ
向いていることはわかっていました。

その頃、懐疑的な人々からの
辛辣(しんらつ)な意見が
あることを感じていても

(実際、そういう意見は
 たくさんありました)、

裏付けとなるような研究は
まだこれから行われるだろうと
確信していました。

今では量子的治癒
(クォンタム・ヒーリング)という考え方を
証明するような研究が、
30年近くにわたって行われています。

この増補版が、偏見のない
自由な心を持つ読者の皆さんにとっての、
再考のきっかけとなってくれることを
望みます。

希望は、
実現不可能なアイデアから生まれます。

懐疑的な人々にとっては、
次のような考え方こそ
最もありえないものなのです。

「私たちは宇宙の子どもです」

「私たちの源は
 あらゆる境界を超越しています」

「自分自身を、分離して
 限界のある物理的存在と見なすことは、
 偽りのアイデンティティに過ぎません」。

これらは、今はまだ
3つの別個の考え方なのでしょうが、
これが融合して
ひとつの新しい考えになってしまえば、
そのとき真の治癒の時代が
到来するのかもしれません。

あなたは「意識」で癒される
あなたは「意識」で癒される
ディーパック・チョプラ (著), 渡邊愛子,水谷美紀子 (翻訳)




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