こんにちは。
フォレスト出版のシミズです。
11月に入り、リクルートスーツに身をつつんだ
就職活動生の姿を見かけるようになりました。
スーツ姿が初々しくて、
ネクタイを結ぶのに15分かかっていた
自分の記憶がなつかしいです。。。
そういえば先日、
東京の山手線で就職活動中であろう大学生3人組が
こんな会話を交わしていました。
どうやら彼らは
ある会社の面接を受けた直後のようでした。
目の前の座席に腰を下ろしている
紺の水玉ネクタイの彼が、こう言いました。
「東大の奴らは、こっちに来ないでさ、
外資系の●●●とかを受けろっていうんだよ」
すると、その他の2人もこんなことを口にしました。
「ヤバイっしょ。採用人数少ないから、こっちが押し出されちゃう」
「人事部は、東大採用したほうが上にウケがいいだろうしな」
面接会場で思わぬライバルの存在を発見して
盛り下がっているのです。
どこの大学生なのかはわかりませんが、
彼らは世間の学歴や偏差値を疑うことなく受け入れ、
その偏差値の自分が採用されるためには
より偏差値の高い東大生が他所に行ってくれないと困ると、
真顔で語っているわけです。
そこには、
自分には無限の価値がある、
どんなに優秀な東大生だろうと勝負して勝ってやる、
そういう考えは微塵も見られません。
偉そうなことをいうようですが、
この会話を聞いた瞬間に、私は
この若者たちは間違いなく落ちる
と、思わないではいられませんでした。
なぜなら、自分に他者と比較する
相対価値しか認めることのできない人間は、
そもそも強烈な自己実現の願望を持ちえないからです。
学歴や偏差値に関係なく、
自分の絶対価値を信じて夢や目標をつかみ取ろうとしなければ、
いくら強い願望を抱いたとしても、
それは単に寝ころんで棚からぼた餅を夢見ているのと同じです。
たとえば、
「もしも、自分よりも優秀な人間がいなければ、
オレがトップになれるんだけどなあ」
と文字に書き起こせば、
この考えがいかに滑稽で噴飯(ふんぱん)なものか、
万人に理解できるでしょう。
「もしも白馬の王子様が私の前に現れてくれたら…」
というシンデレラ症候群と、まったく同じ構造です。
そんなことを望んだところで
自分ではどうしようもできないし、
トップになりたいならそのために
努力を重ねたほうがよほど早道です。
ところが、人間は往々にしてこうした思考にはまりやすく、
しかも、いったんハマってしまうと、
その滑稽な落とし穴から抜け出すことがなかなかできません。
「会社の方針が変わってくれたら、
自分はもっと売り上げを伸ばせるのに…」
「あの上司でなかったら、自分はもっと活躍できるのに…」
こうした願望は、
多かれ少なかれビジネスマンにも共通しています。
相手が変わらないと自分も変わることができない、
といっているように聞こえると思いますが、
まさにそのとおりです。
そして、こうした依存的願望を抱くビジネスマンは、
先の大学進学に対する態度の例や就職活動中の大学生の会話のように、
他人が決める相対価値の世界にじっととどまっているだけのことです。
こうした依存的願望に支配された人間は、
それがどんなに強い願望だったとしても、
人生の夢や目標を達成することはありません。
その人がたとえ
どんなにバラ色の未来を思い描いているとしても、
それは虫のいい未来を空想して遊んでいるにすぎないわけです。
人間は、眠りながら成功することはできますが、
それはあくまで主体的願望を抱いている場合にかぎる話であり、
依存的願望は人生の成功を引き寄せないし
生み出さないということです。
ぜひ、先の大学生にこのことに気付いていただいて、
これからの就職活動をがんばっていただきたいです!
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